NIPPON DENSETSU KOGYO CO.,LTD

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サステナビリティ

TCFD-Based Information DisclosureTCFD提言に基づく情報開示

TCFD

地球環境課題への対応は重要な経営課題として認識しており、今般、TCFD提言に沿った気候変動関連の情報を開示します。

ガバナンス

当社は、気候変動への対応を含むサステナビリティの推進を重要な経営課題と位置付けており、取締役会が気候変動への対応に関する監督・重要事項の決定を行っています。

経営会議では気候変動への対応に関する意思決定および進捗管理を行い、取締役会への報告事項について審議しています。

サステナビリティ推進体制
リスク管理

気候変動関連のリスクについては、業務に関わる各リスクを適切に管理・統制することにより適正な事業運営を行い、経営の健全性確保と信頼性向上に努めるリスク管理体制をとっています。

経営会議では、想定されるリスク・機会を特定したうえでリスク対応への進捗管理を実施するとともに、リスクが顕在化した場合の影響を最小限にする対応策を審議し、定期的に取締役会に報告しています。

戦略
1. 気候関連リスクおよび機会の認識
(1)気候関連リスク・機会の分析
気候変動が当社に及ぼすリスク・機会の抽出および長期リスクへの対応と機会の実現に向けた戦略を検討するにあたり、国際エネルギー機関(IEA)が2021年に発表したNet Zero Emissions by 2050 Scenario(NZEシナリオ)、国連のIPCC(気候変動に関する政府間パネル)の第5次評価報告書(2014年発表)による地球温暖化シナリオ(RCP2.6 - RCP8.5)および第6次評価報告書(2021年発表)による地球温暖化シナリオ(SSP1 - 1.9 - SSP5 - 8.5)を参考としてリスク・機会の分析を行いました。
1850〜1900年を基準とした
世界平均気温の変化
(2)気候関連リスクおよび機会
  1. 移行リスク
    • 炭素税等の導入によるコスト負担
  2. 物理リスク
    • 台風や洪水でのサプライチェーン寸断による工事遅延等のリスク
    • 夏季高温による作業効率低下や対応コスト負担、労働環境の悪化による人手不足の深刻化
  3. 機会
    • 再生可能エネルギー関連工事の需要増
    • 建物のエネルギー効率向上に向けたZEB等環境配慮型建築や建築物改修などの需要増
    • 鉄道の環境優位性によるモーダルシフト等に伴う設備投資増
    • 大規模・緊急的な災害へのBCP対策に基づく迅速な復旧・復興需要への対応、防災・減災に向けた社会インフラの強靭化への対応
2. シナリオ分析

当社は、今後の脱炭素社会移行に向けた再生可能エネルギー関連工事の需要やエネルギー効率向上のためのZEBや電気設備改修などの需要が伸びることが想定され、これらの機会をいかに実現していくかがポイントとなります。また、炭素税等導入によるコスト負担への対応、物理リスク発生時の被害低減のためのBCP対応への取り組みが重要であることがシナリオ分析の結果から分かりました。

(1)移行リスクの財務的影響と対応
  1. 炭素税等の導入によるコスト負担

    移行リスクとしては、炭素税の導入により事業活動における電気や工事用車両の燃料コスト負担増のリスクが存在しています。なお、2022年度時点の温室効果ガス排出量(Scope1・2)をベースにNZEシナリオが想定する炭素税が導入された場合の年間のコスト負担増の影響は軽微と判断しています。ただし当社では、自社事業用ビルのZEB化や工事用車両のEV化など炭素税賦課の対象となる燃料・エネルギーの使用量削減を進めリスク低減を図っていく予定です。

(2)物理リスクの財務的影響と対応
  1. 台風や洪水でのサプライチェーン寸断による工事遅延等のリスク

    台風の大型化、異常気象の頻発等により、サプライチェーンの寸断による資材調達難などにより工事遅延等が発生するリスクがあります。なお、過去には台風や洪水での浸水により資材倉庫等が被災したことがありますが、工事に大きな影響を及ぼすような実害はありませんでした。このようなリスク回避に向け、当社では事業継続計画の策定によりハザードマップを活用したリスクの想定および回避策を講じているため、同リスクが生じる可能性は低いと判断しています。

  2. 夏季高温による作業効率低下や対応コスト負担など

    猛暑日の日数増加などによる作業環境の悪化が考えられ、熱中症などの健康被害リスクを回避するための作業中断による工期延長、作業効率の低下を想定した投入人員の増加や、健康被害回避に向けた対策などコスト負担増の影響があります。現在でも夏季の作業者負担減に向けた熱中症対策を講じていますが、今後このような対策費用が増加すると想定しても当社の財務的影響は軽微と判断しております。ただし、このような労働環境の悪化による人材確保の困難などの影響を、いかに回避するかについては継続的に検討していく必要があると考えています。

(3)機会の財務的影響と戦略
  1. 再生可能エネルギー関連工事の需要増

    NZEシナリオでは2050年の一次エネルギー供給のうちの約6割は再生可能エネルギー由来になるとされており、今後、一層の再生可能エネルギー供給のための設備投資が進展すると想定されます。当社の環境・エネルギー工事においても太陽光や地熱、風力など創エネルギー関連の工事に対応しており、今後拡大が想定される創エネ関連工事分野での受注増加に向け、体制整備を更に強化していきます。

  2. 建物のエネルギー効率向上に向けたZEB等環境配慮型建築や建築物改修などの需要増

    脱炭素社会への進展に向け、建物のエネルギー効率向上に向けZEBや既存建築物の改修などが、一層進展していきます。当社では、ZEBプランナーとしてZEBの普及に向け取り組んでおり、自社ビル等でも実績をあげています。今後とも、建築物のエネルギー効率向上を求める発注者のニーズを具現化するために事業展開を進め、脱炭素社会の実現に向けた貢献を進めていきます。

  3. 鉄道の環境優位性によるモーダルシフト等に伴う設備投資増

    鉄道の環境優位性が評価され、政策的な公共交通機関の利用促進や鉄道利用意識の高まりによりモーダルシフトおよび次世代型路面電車システム等の都市型鉄道の整備等が進展すると想定されます。このような鉄道整備の進展や一層のサービス向上や安全安定輸送のための設備投資の増加が期待され、それに対応するため施工体制を強化していきます。

  4. 大規模・緊急的な災害へのBCP対策に基づく迅速な復旧・復興需要への対応など

    今後、気象災害の頻度、甚大化の傾向が増加していくなかで被災した社会インフラである電気関係設備の迅速な復旧対応などの発生頻度が拡大していく可能性があります。過去には大型台風の影響による民間鉄道事業者の車両基地の浸水を受け、施設内の電力供給設備のかさ上げ工事への対応を行いました。また、防災・減災に向けて、被害規模の抑制・回避、被災時の電力供給網の確保等の電気関係設備の移転整備・強化などの需要も想定されます。このような災害からの被害軽減のための予防的基盤整備に向け、確実に対応していく体制を整備していきます。

区分 分野 事業影響 時間軸※ 影響度 対策
1.5℃
シナリオ
4℃
シナリオ
移行
リスク
政策・法規制 カーボンプライシング 炭素税等の導入によるコスト負担 中期〜長期 再生可能エネルギー由来電力への転換
省エネルギーの徹底
物理
リスク
急性 極端な気象現象の深刻化・頻度の増加 台風や洪水でのサプライチェーン寸断による工事遅延等のリスク 中期〜長期 災害への即時対応体制の整備、 BCP計画の拡充
慢性 平均気温の上昇 夏季高温による作業効率低下や対応コスト負担
労働環境の悪化による人手不足の深刻化
中期〜長期 労働環境改善に向けた対策強化
健康経営の進展
機会 製品 /
サービス
再生可能エネルギーへのシフト / エネルギーミックス 再生可能エネルギー関連工事の需要増 短期〜中期 再生可能エネルギー関連工事の需要増加に対応する技術開発の促進・向上
低排出商品・サービスの開発・普及 建物のエネルギー効率向上に向けたZEB等環境配慮型建築や建築物改修などの需要増 短期〜中期 環境配慮型工法・製品などの継続的な研究開発
ZEBプランナーの確保・育成
鉄道利用の増加/ モーダルシフト 鉄道の環境優位によるモーダルシフト等に伴う設備投資増 短期〜中期 安全・高品質な設備の施工に向けた施工体制の強化および技術開発の促進・向上
強靭性
(レジリエンス)
資源の代替 / 多樣化 大規模・緊急的な災害へのBCP対策に基づく迅速な復旧・復興需要への対応
防災・減災ほか社会インフラの強靭化への対応
中期〜長期 BCP対策、防災・減災に迅速に対応できる施工体制の強化
  • 時間軸  短期:1〜3年  中期:3~10年 (2030年頃まで) 長期:10~30年 (2050年頃まで)
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指標・目標
1. 気候関連リスクおよび機会を評価する指標と目標

当社では、「脱炭素社会への貢献」をサステナビリティにおける重要課題の一つとして認識し、気候変動のリスク低減あるいは機会獲得の進捗を評価するため以下の2つの目標を設定しました。

当社単体での自社事業活動による温室効果ガス排出量(Scope1・2)

  • 2030年度 2013年度比50%削減
  • 2050年度 カーボンニュートラル
2. 温室効果ガス排出量(Scope1・2・3)の実績

2023年度の当社単体でのScope1+2排出量は6,004t-CO₂(2013年度比△32.9%)、Scope3排出量は233,162t-CO₂となっております。連結子会社を含めたNDKグループ全体でのScope1+2排出量は11,410t-CO₂となっております。

2023年度の当社単体での
温室効果ガス排出量(Scope1+Scope2)
2023年度の当社単体での温室効果ガス排出量 (Scope3)
(t-CO2)
Scope3 事業活動に関連するその他の間接排出 (全カテゴリ合計) 233,162



1 購入した製品・サービス 原材料・部品、仕入商品・販売に係る資材等が製造されるまでの活動に伴う排出 221,645
2 資本財 自社の資本財の建設・製造に伴う排出 4,432
3 調達したエネルギーの上流プロセス 他者から調達している燃料の調達、 電気や熱等の発電等に必要な燃料の調達に伴う排出 1,134
4 事業から出る廃棄物 自社で発生した廃棄物の輸送、処理に伴う排出 2,851
5 出張 従業員の出張に伴う排出 1,092
6 雇用者の通勤 従業員が事業所に通勤する際の移動に伴う排出 2,008
  • Scope 3 における15のカテゴリの内、「日建連 環境情報開示ガイドライン」に則り、当社の事業活動に該当する6項目について算出しております。
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